おおぞら高校
なりたい大人研究所
おおぞら高校

なりたい大人作文コンクール

2019年度⼊賞作品

全国の中学校・高校から24,760作品の応募がありました!
たくさんのご応募ありがとうございました。

総評

特別審査員

古市憲寿

いい意味でも悪い意味でも、完成度の高い作品が多かったように思います。確固たる「なりたい大人」像があり、そのために毎日頑張っていきたい。文句のつけようがない内容です。その姿勢は本当に素晴らしいと思います。もちろんこのコンクールのテーマにもかなっています。
だけど、読みながら疑問に感じてしまいました。中学生や高校生の時点で、そんな風に完璧な目標を掲げることなんてできるのか。
いとも容易く夢を宣言できるものなのか。続きを読む…
多くの作文には、あまりにも「いいこと」ばかりが書かれすぎていて、読んでいてちょっと退屈になってしまいました。
とはいえ、こうした作文で本音を書くのは難しいですよね。特に中高生時代なんて自意識が爆発していて当然の時期。色々と考えに考え、「いいこと」を書き連ねた人も多かったはずです。
そんな中で僕が惹かれたのは、揺らぎのある作文です。作者の中で、何か変化や発見があった作文です。
自分自身がまだ人生の途上にある。そのことに気付いている人の作文には、何らかの「割り切れなさ」がありました。「割り切れなさ」を引き受けた上で、一応の結論を出す。そうした作文には個性があり、独特の魅力がありました。
十年後、二十年後、つまり実際に「大人」になった時に、このコンクール向けの短い作文のことを覚えている人はあまり多くないと思います。だけどせっかく書いた文章なので、写真に撮っておくなりして、いつか読み返して欲しいです。自分が「いいこと」ばかりを書いていたと苦笑するのか。それとも昔の自分が書いた「いいこと」に背中を押されるのか。
このコンクールをきっかけに生み出された言葉たちが、書き手のみなさんの幸せな未来につながっていくことを祈っています。

審査員

KTCおおぞら高等学院 学院長 小林 英仁

自分のわがままや傲慢を投げ捨て、他者への優しさや配慮を大切にしたいと願う中高生がこれほどに多いのかと驚きました。ともすると、自分や自国を真ん中に置きたがる大人ばかりが目立つ世界に育つ中で、それでも誰かのために生きている大人に憧れる子どもたちに、穏やかな未来を感じます。「ありがとう」と言える大人になりたい、「ごめんなさい」と言える大人になりたい、「あなたたち、今の大人たちが、おざなりにしていることってそういうことでしょ?」と突き付けられているとも感じました。感謝と反省を伝えることができる大人でありたいと思います。続きを読む…
青年期はやはり正義感が強いのでしょうか、正論が多かった印象を受けました。人間は感情に左右される生き物ですから、正論だけでは伝わらないこともたくさんあります。だからこそ、不安を抱えている、困っていることを隠さない、戸惑いながら進んでいる、個人的にはそんな文章と著者にすごく惹かれました。「どんな大人になりたいか?」に正解も不正解もありません。だから、これからは「今の大人が期待している答え」なんて気にすることなく、肩ひじ張らず、みなさんが日常感じていることをそのまま書いてくださいね。今回はたくさんのご応募、本当にありがとうございました。学院を代表して御礼申し上げます。

審査員

屋久島おおぞら高等学校 校長 梶 俊之

身近な家族、母や父、祖母や祖父を「なりたい大人」のモデルにしている生徒が多かった。当然といえばその通りであるが、身近なところになりたいと思える大人がいるということは大変幸せなことである。身近な家族の一員を目標にしている作文は、具体性があり、本人の気持ちが読む側にストレートに伝わってくる。続きを読む…
私が8点以上と採点した10編の作文には、母が「なりたい大人」のモデルであったり、母が「なりたい大人」に大きな影響を与えた作文が4編(中学1、高校3)あった。全体を見ても母の影響の大きさは特別のような気がする。参考までに言えば、この4編とも女性の作文であった。ただ、100編の80%以上が女性の作文で、女性は母をモデルにすることが多いのかもしれないので簡単には、「父は?」とは言えない。私自身40歳を越えてから、「こんな時、親父はどうしただろう?」と亡くなった父のことを思い出すことが多くなったように思うからである。
どの作文も読むと、なるほど、人はそうありたい、あるいは、人はあるべきだと思える作文ばかりで審査を忘れて自分自身を振り返る時間がずいぶん長くなってしまった。大変考えさせられる作文が多かったように思う。
この作文を機会に、応募してくれた諸君が、それぞれの「なりたい大人」に向かって突き進んでくれることを期待している。しかし、初心貫徹という言葉もあるが、必ずしもそうばっかりが良いわけではない。成長に従って「なりたい大人」「なりたい人」は変化するものである。あえて初心貫徹にこだわらず、その時、自分の信じることに従って進んでほしい。

入賞作品

最優秀賞

中学の部

中村 心夏さん タイトル「みかん農家」 東京都 トキワ松学園中学校 3年

高校の部

宅野 七海さん タイトル「母の姿」 福岡県 福岡県立折尾高等学校 3年

優秀賞

中学の部

渡辺 美愛さん タイトル「手話を教えてくれた先生」 愛知県 名古屋市立供米田中学校 3年

鈴木 小春さん タイトル「トランペットとの出会い」 東京都 府中市立府中第四中学校 3年

高校の部

大朏 遥さん タイトル「『言葉』を言える人」 東京都 青山学院高等部 2年

佐藤 穂乃香さん タイトル「私を変えてくれた先生へ」 福島県 聖光学院高等学校 3年

審査員特別賞

中学の部

中野 立己さん タイトル「普通って何だろう」 東京都 武蔵野市立第四中学校 3年

高校の部

藤本 真輝さん タイトル「嫌われることを、恐れるな」 兵庫県 兵庫県立宝塚北高等学校 2年

学校賞

中学の部

岡山県
岡山市立吉備中学校
大阪府
東大阪市立玉川中学校

高校の部

静岡県
清水国際高等学校
埼玉県
埼玉県立大宮工業高等学校

過去の入賞作品

おおぞら100選

通信制高校サポート校「おおぞら高等学院」の生徒たちの応募作品から、厳選された100作品を発表します!
通信制高校に通う生徒たち、それぞれの思い描く「なりたい大人」をご覧ください。

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