君みたいな魔法をかけたい

知人も大人も何もかも怖かった。深く暗い海の底に一人ぼっちでいるような。そんな底から君は優しく手を引っ張って「大丈夫だよ」と言ってくれた。すごく嬉しかった。君の優しさが僕の体を押し浸すような、そんな不思議な魔法をかけられた。このことはいつまでも記憶に残るだろう。だから僕も君のようにいつまでも記憶に残る優しさに溢れる魔法をかけたい。それで人を笑顔にしたい。そんな大人になりたい。君が僕にそうしたように。