おおぞら高校
なりたい大人研究所
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なりたい大人作文コンクール

祖父

京都府 立命館宇治高等学校 3年

大人は泣かない生き物だと思っていた。物心がついた時から両親は共働きで家にいることはほとんどなく祖父母の家で過ごすことが多かった。それを寂しいと思うことはほとんどなく、むしろ祖父母と過ごす日々が好きだった。七十歳まで現役で働いていた祖父は口数が多いわけではなかったが私がまちがったことをすればきちんと叱ってくれ、いいことをすればそれ以上にほめてくれた。大好きだった祖父が死んだのは今年に入ってすぐだった。みんな泣いていた、テレビの世界でしか泣かないと思っていた大人が。祖父のような大人になりたいと思った。他人を叱るというのは、それと同時に嫌われるという覚悟と勇気が必要で、でもそれが何年か経てば感謝という温かい感情になることを私は知っている。祖父と過ごした十七年間で学んだことだ。人を愛し、人に愛された祖父との思い出は永遠に忘れることはないだろう。そんな祖父を誇りに思うし彼は私にとって永遠に憧れの人だ。