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なりたい大人作文コンクール

祖父から学んだ働くということ

長野県 木曽青峰高等学校 1年

祖父は曽祖父が始めた木工業を中学校卒業と同時に後を継ぎ、働きながら定時制高校に通い技術を学んだ。親方や同僚の技術を覚えるために、製品を描いた画用紙の束は30cmを超える厚みとなった。卓越した技術を追い求め、すでに54年が経過した。就職当時、選択できたかもしれない地域の主力産業は、抵抗器などを作る製造業であったという。
インタビューを通して、祖父の仕事への信念は、地道であると同時に積み重ねた意志の中で作られたものであった。熟練した技術を持っていた明治生まれの曽祖父は、祖父が32歳の時に死去した。突然事業主となった祖父は、世間から曽祖父と比較される立場となる。大きなプレッシャーがあったに違いない。今でこそ「木工業をやっていて良かった」という回答だが、手の上に技術を蓄積してきたからこその信念の言葉だと思った。働くということの尊さは、果てしない継続した意志と努力から獲得できることを祖父から学んだ。